二人のマリア

新約聖書には二人のマリアが出てきます。キリストの母マリアとマグダラのマリアです。

マリアと言えばキリストの母が一般です。未婚の時に大天使ガブリエルが彼女のもとを訪れ「恵まれた者よ、あなたは救い主を身ごもる」と告げ、やがてマリアは妊娠します。マリアは主のはしためです、御心のとおりこの身になりますように、と応答しますが・・・いい迷惑と思ったかもしれません。当時未婚の女性が妊娠すると石打の刑に処せられたからです。

聖書にはマリアはヨセフの許嫁(いいなずけ)であったので、ヨセフがマリアの妊娠を知ったとき密かに離縁しようと考えた、とあります。しかし天使がヨセフにも現れ、マリアに宿った子は聖霊によると告げ、彼はマリアを受け入れます。

どうやら神が「こと」を起こすときは、事前に当事者に伝えるようですね。おそらく神はマリアとヨセフが救世主誕生という試練を受けるにふさわしいと考えたのでしょうが、二人は大迷惑だったことでしょう・・・私だったら断ります、ほかを当たってくれ・・・

もう一人はマグダラのマリアで、キリストから罪を赦された女性です。マグダラのマリアは聖書ではふしだらな女性と描かれていますが、東方教会(○○正教会、例えばロシア正教会)ではそのようには描かれていません。ローマがグレゴリウス一世の治世のとき飢饉があり、マグダラのマリアの罪のせいにしようと考えたみたいです。この説をカトリック教会が採用し、マグダラのマリアはふしだらな女性ということにされたらしいです。さらに聖母マリアの聖さを引き立たせるために、マグダラのマリアを貶めたという説もあります。一方、マグダラのマリアはキリストの妻ではなかったか、という説もあります。

キリストが十字架にかけられたとき、その下にいたのも二人のマリアでした。弟子はヨハネだけでした。二人のマリアは常にキリストのそばにいました。

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